「高時給」すぎる家庭教師会社の「時給」に隠された罠・カラクリ

うまい話には必ず裏がある

家庭教師バイトの求人を見ていると「時給2500円の高時給」「時給2000円」「給与は直接手渡し」などの相場からかけ離れた表記を見かけることがあります。このような表記をしている家庭教師会社の求人は要注意です。超高時給にどのようなリスクがあるのか、見分け方を解説します。

うまい話には裏がある

一般的な家庭教師会社の時給相場は「1500円~」です。「~」となっているのは、「登録者の学歴」「登録者の指導経験」「指導内容」「生徒の学年」などにより時給が異なるからです。最低時給を設定し、「MARCH以上の学歴ならプラス300円」「早慶以上ならプラス500円」「高校生の受験指導ならプラス300円」「中学受験指導ならプラス200円」「塾での指導経験があるならプラス200円」などのように最低時給にプラスして時給が決まるのが一般的です。

ところが、求人誌やネットを見ていると「学歴不問」「経験不問」「時給2500円の高時給」「時給2000円」「給与は直接手渡し」などの「???」な相場から乖離した時給表記が含まれる求人をみかけることがあります。

普通の家庭教師会社でも前述の通り、依頼される案件や登録者の学歴・指導経験により時給が2000円~2500円になることは少なくありません。しかし、学歴不問で最低時給・全てのお仕事の時給が2000円というようなことは、一般的な家庭教師会社ではありえません。

「うまい話には裏がある」という言葉がありますが、相場から大きく乖離した時給にも「裏」があります。

相場からかけ離れた高時給な家庭教師会社の正体は「高額教材販売業者」です。後述しますが、時給が高い理由は実質的な「個人契約」だからです。しかも、普通の「個人契約」ではなく、責任・負担が伴うリスクの高い「個人契約」です。

家庭教師会社の種類

家庭教師会社には大きく分けて2種類あります。1つが高額教材販売を目的とした仲介・紹介会社、もう一つが月々の授業料収入を目的とした家庭教師派遣会社です。一般的な家庭教師会社は後者のタイプです。

(前者の)高額教材販売目的の家庭教師の仲介・紹介会社は、名簿業者から手に入れた電話番号リストなどを利用して、主に中学生がいるご家庭に電話による勧誘を行います。

「家庭教師○○○○の○○大学2年の○○です。家庭教師を紹介するサークルで○○大の学生を紹介しているのですが、・・・」というような内容の電話勧誘です。

大学の公認サークルからの電話のように聞こえるこの電話ですが、本当の目的は家庭教師の紹介ではなく、高額教材販売です。

成績不振の中学生を主にターゲットとしており、中学1年生~3年生の5教科教材を総額50万円~100万円程度で売ります。購入したご家庭は3年程度のローンを組んで支払います。

「週1回90分で5教科ばっちりです」「過去3年分もばっちりです」などと言って勧誘を行いますが、「週1回×90分で5教科指導」などという事はちろん不可能です。そのしわ寄せは講師にいきます。

高額教材販売センターの求人に注意

高額教材販売系家庭教師仲介・紹介会社の場合、講師とセンターは「雇用契約」や「業務委託契約」ではなく、「紹介契約」などの契約書を交わします。

・ご家庭と講師は個人間の契約です(業者は紹介しているだけです)。
・(業者とご家庭の金銭のやり取りは「教材代」だけですので)家庭教師の授業料の徴収は自己責任で直接行ってください。トラブルがあっても関与しません。
・家庭教師先を紹介しているだけですので、業者側はいかなる責任も負いません。
・紹介する条件として「指定教材の使用」など業者側のルールに従ってもらいます。
・遅刻・欠勤でクレームが来た場合は罰金を頂きます。
・ルールに従わないと罰金を頂きます。
・指導期間の途中でやめた場合は罰金を頂きます。

のような内容が契約書に記載されている場合が多いようです。

昨年、上記のような契約書を大学生と交わして、実際は交通費を自己負担させるなど過酷な労働を強いている愛知県の某教材販売系家庭教師センターのことが、「ブラックバイト」としてNEWS23などの情報番組で取り上げられました。その番組で紹介された被害者の名大生も、「高い時給」につられてお仕事を引き受けてしまったようです。

時給が一般的な家庭教師派遣会社の相場より高く、個人契約の相場程度なのは、「派遣」ではなく「センターと紹介契約・ご家庭と個人契約」だからです。しかも、上記のようなことが記載されている契約書を交わすことにより、大きなリスク・負担が講師側にかかります。

家庭教師アルバイトの求人を探している人にとって、違いが分かりにくいですが、高額教材販売を目的としたセンターの求人が紛れていることがありますので、注意して下さい。

同系列の高額教材センター(それぞれ見た目は別法人)にしか登録できない「偽一括登録サイト」「危険な家庭教師一括登録サイト」を複数運営している教材販売グループ・組織もありますので注意が必要です。

家庭教師バイトの一括登録サイトを利用する際は、「家庭教師アルバイト一括登録ナビ」などの、高額教材会社を一切掲載していない登録サイトの利用をおすすめします。

家庭教師会社の見分け方

高額教材販売系家庭教師会社へのバイト登録は避けるべきですが、その「見分け方」を説明します。

高額教材販売系の家庭教師会社の求人の特徴は以下となっています。

条件に限らず大学生の時給が2000円~2500円の高時給
家庭教師の月謝の支払いが生徒から先生へ直接手渡しである
会社の公式ホームページの生徒向けページに「教材販売は一切行っていません」の文言がない

上記の条件にあてはまる家庭教師会社の求人は、高確率で「高額教材販売会社」による求人ですので避けた方が無難です。

しかし、最近は行政の取り締まりが厳しくなってきているので、「高額教材販売会社」が「教材を売らないコース(一般の家庭教師派遣に近いコース)」をダミーとして設定している場合が増えており、その場合は時給の条件が上記に当てはまらないことがあります。

高額教材系と一般の家庭教師会社の見極めは難しいので、「家庭教師アルバイト一括登録ナビ」などの、高額教材会社を一切掲載していない家庭教師専門の求人サイトの利用をおすすめします。


家庭教師のバイト探し「虎の巻」

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