家庭教師会社探し「虎の巻」(生徒向け)

家庭教師虎の巻

家庭教師会社探しの「虎の巻」です。家庭教師会社探しにお役立ちの情報を掲載しています。家庭教師会社探しの基本から、コツ・ポイント・注意点など。これから家庭教師会社を探される方は是非参考にして頂ければと思います。

お子様の先生を探す方法として、最近は個人契約を選ばれる方も増えていますが、今なお主流は「家庭教師センター」と呼ばれている派遣会社・紹介斡旋会社を通す方法です。残念ながら家庭教師の業界は「教材販売」「HPの虚偽表記」「悪質な電話勧誘」など非常に多くの問題を抱えています。

このサイトでは、良質な家庭教師センターを探してお子様に良い先生を探す方法を紹介しています。家庭教師センターに関する基本事項から選び方のコツ・ポイント・おすすめ・注意点などを網羅していますので、これから家庭教師会社を探される方は是非参考にして頂ければと思います。

家庭教師センターの種類

家庭教師の紹介・斡旋を行っている会社・団体は「家庭教師センター」と呼ばれていますが、「家庭教師センター」には大きく分けて以下の2種類があります。

・家庭教師派遣会社

文字通り、一般家庭に対して自社に登録している講師を「派遣」する会社です。入会金・年会費・月会費などや、「月々の授業料」と「講師への支払報酬」の差額が収入源です。

・教材販売会社 兼 家庭教師紹介会社

一般家庭に講師を紹介する見返りとして教材を販売する会社です。教材は市販教材ではなく、総額10万円~100万円程の「超高額教材」です。質については決して悪くはありませんが、全教科で総額数千円~1万円程度の塾用教材に比べて格段優れているとは言い難い教材です。

家庭教師派遣会社が講師との間に「雇用契約」もしくは「業務委託契約」を結ぶのに対して、教材販売を行う家庭教師紹介会社の場合は「紹介契約」のような契約しかないことが多いです。

単なる「紹介」ですので、ご家庭と講師は実質的な「個人契約」となり、授業料はご家庭が講師に直接支払います。先生紹介を利用した「高額教材販売商法(教材の抱き合わせ販売)」については、毎年多数の苦情・相談が消費者センターなどに寄せられており、過去に行政処分を受けたグループ・会社も少なくありません。
家庭教師センターには上記2種類がありますが、沢山ある家庭教師センターから自ら好んで「高額教材会社」を選ばれる方は少ないと思いますので、ここからは主に「家庭教師派遣会社」の選び方や注意点などを記載します。

尚、高額教材販売会社に関する情報は別ページにまとめましたので、あわせてご覧ください。

家庭教師派遣会社に依頼するメリットとデメリット(個人契約と比較して)

先生を探す方法としては、派遣会社利用のほかに個人契約サイト利用という方法もあります。個人契約サイト利用と比べた派遣会社利用のメリットとデメリットをまとめると以下のようになります。

派遣会社利用のメリット(生徒にとって)

  • 先生個人との金銭トラブルなどがおこりにくい
  • 相性が合わなかったり、先生の指導に不満がある場合に先生を交代してもらえる。直接先生に告げる必要がない。
  • 先生の指導能力や経験を理解している担当者により最適な先生を選んでもらえる(良いセンターの場合)
  • 受験情報や模擬試験などの提供がある(良いセンターの場合)
  • 受験勉強や日々の学習について担当者に相談できる(良いセンターの場合)
  • 授業の内容・進行が講師の我流でなくセンターの管理の元で行われる(良いセンターの場合)

派遣会社利用のデメリット(生徒にとって)

  • 教材販売会社など悪質な会社が多数存在するので見極めが難しい
  • 入会金などの初期費用がかかる
  • 毎月の月謝が個人契約に比べて割高である
  • 複数の候補者の面接・体験授業の後に講師を決めることができない

尚、上記のメリット・デメリットは「家庭教師派遣会社」のことで、「教材販売会社」に関することではありません。「教材販売会社による先生紹介」は「個人契約」と「派遣会社利用」両方の悪い点を集めたような形態となりますので論外です。

家庭教師業界の9つの悪しき商習慣

家庭教師業界には古いもの・新しいもの含めて以下9つの悪しき商習慣があります。いずれも消費者にとっては迷惑なものばかりです。

  1. 高額教材販売
  2. 広告などに超低料金を記載
  3. テレアポ・電話勧誘
  4. 不透明な費用・料金の非開示
  5. 先生選考でクーリングオフ妨害
  6. やめたくても高い中途解約金
  7. 体験授業→入会で生徒の事を何も知らない業者
  8. 事務所がない・面接もしない(実質個人契約)
  9. やらせ・ステマで本物の口コミは見つからない

上記の「9つの悪しき商習慣」について以下で1つ1つ詳細を見ていきたいと思います。

◆悪しき商習慣1.高額教材販売

高額教材販売は家庭教師業界を長年ブラックなものとしてきた最大の「悪しき商法」です。高額教材販売商法は、法規制強化・相次ぐ行政処分に対応するために様々な形態に移行しています。

このページだけではとても説明できませんので、高額教材販売会社については別ページにまとめました。あわせてご覧ください。

◆悪しき商習慣2.広告などに超低料金を記載

ネットやチラシなどで、ありえない低料金を掲げている家庭教師会社の広告を見かけることがあります。そのような「超低料金」「超格安料金」には思わぬ落とし穴・トリックが隠されています。

ちなみに「超低料金」「格安料金」の目安ですが、1時間当たりの単価が2500円を切っている場合はかなり怪しく、2000円前後もしくはそれ以下の場合は、ほぼ間違いなく何らかのトリックがあると考えてよいでしょう。

先生の時給相場は都市部で1500円、地方で1300円程度です。1人の生徒さんの月間の平均授業時間は10時間前後です。生徒さん1人あたり1万円程度の粗利(授業料-講師への報酬)がなければセンターの運営は成り立ちません。最低でも1時間あたり1000円程度のマージンが必要となりますので、時間単価は最低でも都市部で2500円以上、地方で2300円なければ「おかしい」ということになります。

この料金ではセンター側に殆ど利益がでませんので、実際には都市部では1時間あたり3000円、地方都市では1時間あたり2800円前後が、授業料の最低ラインとなっています。

ホームページや広告などで「超低料金」「超格安料金」を謳っている会社は以下の3つに分けられます。

1.教材販売

「授業料1時間2000円」などのように低料金を前面に出しますが、実際にその料金で受講するには数十万円~100万円の高額教材を購入する必要があります。

2.高い料金コースに誘導

広告などを見て問合せした人に「そのコースは先生の質も低く、こちらで管理も行わないので、お子さんの成績は伸びないですよ」などと言って、プロ家庭教師コース・難関大生コースなどにほぼ全ての人を誘導する会社があります。いわゆる「二重価格」です。

北海道エリアで流行った営業手法ですので、北海道を本社としている家庭教師会社などによく見られます。

3.入会金・授業料以外の項目で費用がかかる

「入会金0円」などと広告で謳っていながら、「教師選抜費」などで入会金相当額を顧客から取る手法が北海道などで一時期流行っていました。この営業手法については、消費者庁などが数社に行政処分を出すなど厳しい対応を取ったため、減少傾向にあります。

4.安い料金はごく限られた対象者のみに提供

安い料金体系は確かに存在しているものの、「青森県○○村」など限られた地域の人だけを対象にしているパターンです。

◆悪しき商習慣3.テレアポ・電話勧誘

教材販売業者に限らず、いまだに「テレアポ・電話勧誘」に集客を頼っている業者がいることは誠に残念なことです。

「○○大教育学部生で集まって講師を紹介しています・・・」などのテレアポ・電話勧誘は、「勧誘に先だって<勧誘の目的><会社名>などを言わなければいけない」と定めている特定商取引法に違反する営業行為ですので無視しましょう。

「テレアポ・電話勧誘」のリストは、名簿屋と呼ばれている個人情報の販売業者から購入しています。ここ数年、名簿業者に流れているリストが減っていたこともあり、家庭教師・教材業者による電話勧誘も減少傾向にありましたが、某社の個人情報流出事件以降、大幅に増えているようです。

某社の個人情報流出事件の際に、名簿業者から大量のリストを購入した教材販売グループがいたことが報道されました。このグループの購入件数は、流出事件の名簿購入者の中で最大規模で、全国にある傘下・グループの教材販売業者に行き渡ったといわれています。

◆悪しき商習慣4.不透明な費用・料金の非開示

「高額教材販売」・「入会金なしなど嘘の料金を広告に記載」・「例外的な料金コースで客寄せし高額コースに誘導」などについては、上記で記載しました。

そこまで悪質でなくても、「ホームページなどで公開されている料金は一部のみである」というのは、家庭教師業界の悪しき慣習の一つで、よく見かけます。

実際に数社の経営者にこの点について尋ねてみたところ、「まともに料金を全て開示すると(同じ地域の競合他社が開示していないので)勝負にならない」という回答がありました。

電話などで問い合わせをする際は、「全ての料金」「他にかかる費用」について執拗に聞き出すことが重要です。

◆悪しき商習慣5.先生選考でクーリングオフ妨害

2ヶ月・5万円を超える家庭教師の契約は、契約書面を受け取った日から8日以内であればクーリングオフができることが特定商取引法で定められています。

ところが、先生選考を行う前に契約書を交わして、先生を決定するのに10日前後かかるというケースがよくあります。この場合、商品である「先生」に納得できなくてもクーリングオフ期間を過ぎてしまっており、無条件契約解除が行えません。

中には1週間以内に先生は決まっているのに、あえて先生紹介を遅らせる「クーリングオフ妨害」に該当するような行為を行っている会社もあるようです。

又、「2ヶ月・5万円を超える」場合にしかクーリングオフが有効でないことを悪用し、契約期間を「2か月間・自動更新」としている悪質な会社もあります。

◆悪しき商習慣6.やめたくても高い中途解約金

一部の良心的な会社は「1ヶ月前に連絡すれば違約金なしで退会できる」などとしていますが、多くの家庭教師会社は中途退会した場合に違約金をとっています。

特定商取引法により、「5万円もしくは一か月分の授業料のいずれか低い額」を違約金・中途解約金とすることが認められていますが、業者によりその対応は様々です。

・どのような理由でも中途解約金をとる会社
・志望校合格などの場合は中途解約金がかからない会社
・事前通知すれば中途解約金がかからない会社

などがありますので、資料などを見て入会前に確認した方がよいでしょう。

推薦入試・AO入試などで予想以上に早く合格が決まり、家庭教師が不要になるというケースもあります。そのような際の前払い料金・振替未消化分の扱いがどのようになるかも入会前に必ず確認しましょう。

「先生のおかげで早く合格できたのだから返金は要求しない」という方も多いようですが、それらのお金は先生の元には一銭も行かないことを理解した方がよいでしょう。

◆悪しき商習慣7.「体験授業→入会」で生徒と会わない業者

家庭教師会社の多くが入会前の「体験授業」を行っています。体験授業を行っている会社の多くは無料です。

問い合せしてきた人への対応は各社様々ですが、主に以下に分かれます。

  1. 体験授業は原則として行わず、担当者(学習アドバイザーなど)がご家庭を訪問して希望に合った先生を選抜する。
  2. 担当者(学習アドバイザーなど)がご家庭を訪問して希望に合った先生を選抜する。体験授業は原則として行わないが、希望があった場合は「有料」で行う。
  3. 担当者(学習アドバイザーなど)がご家庭を訪問して調整を行ったうえで、実際に受け持つ予定の先生による体験授業を行う。
  4. 担当者(学習アドバイザーなど)は電話だけで対応し、生徒宅は訪問しない。受け持つ予定の先生ではない「体験授業専門の先生」が体験授業を行う。
  5. 担当者(学習アドバイザーなど)は電話だけで対応し、生徒宅は訪問しない。受け持つ予定の先生が体験授業を行う。

3番が最も良いシステムであるのは明白ですが、単価の高いプロ家庭教師専門の派遣会社を除いて3番を行っている会社は殆どありません。

家庭を訪問して生徒本人と会ってみなければ、生徒に最適な先生の選抜はできないと思うのですが、残念ながら最近の主流は4番もしくは5番です。特に4番は「体験授業」の意味さえ殆どないと思われます。

<顧客が問い合わせる→体験授業を薦める→体験授業を行い、生徒が入会する>という流れは、営業コスト(人件費)が殆どかからない業者側にとって最も儲かる仕組みです。

「体験授業型」の家庭教師会社の多くは、零細・中小で、営業員・担当者(学習アドバイザーなど)が1事務所に1名~数名しかいない場合が多いです。そもそも問い合わせの度に顧客宅を訪問する事が不可能なのです。

◆悪しき商習慣8.事務所がない・面接もしない(実質個人契約)

「体験授業→入会で生徒とは実際に会わない」業者については上記に記載しました。その発展バージョンが「悪しき商習慣8」のパターンです。

なんと生徒だけでなく先生とも会わない業者が最近増えているのです。面接は電話のみ、研修は資料のみ、指導開始後のフォローはメールと電話のみという超低コスト経営を行っている会社があります。

生徒にも先生にも会わないわけですから、実質的な個人契約です。このような業者は、「生徒の料金は安く、先生の時給は高い」ことを宣伝文句として謳っているケースが多いですが、個人契約サイトなどに比べると莫大なマージンを取っていることを理解しましょう。

このような会社は東京などにしか実際の拠点がないのにも関わらず、住所貸し業者・バーチャルオフィス業者などから住所だけを各地域に借りて、全国展開しているように見せかけます。

フリーダイヤルにかかってきた電話を本部で受け、ネットや電話で手配した講師候補者に「体験授業」を行わせます。

お住いの地域に本当に事業所が存在するかは必ず確認しましょう。

◆悪しき商習慣9.やらせ・ステマで本物の口コミは見つからない

悪徳業者ほど、ネット上の「本物の口コミ」「悪い評判」を目立たなくすることに躍起になっています。特に「高額教材販売業者」や「偽の激安料金業者」のステルスマーケティング・やらせ行為は目に余るものがあります。

その結果、本当に悪質な業者の口コミ・評判は目立たず、さほど悪質でない業者の(ほんの一部の人が書いた)悪評ばかりが目立っているというのが今のネット事情です。

悪質業者は、様々なやらせ・ステマ行為を行っていますが、主な手法は以下のようなものです。

  • ブログ・ホームページを大量に自作・外注し、「センター名 口コミ」「センター名 評判」「センター名 教材販売」などでのネット検索結果を上位独占し、悪評を目立たなくする。
  • 反社会的勢力などを利用して、悪い評判がかかれている掲示板や電話番号検索サイトなどから悪評を消させる。
  • ヤフー知恵袋・教えてgoo・OKWAVEなどのQ&Aサイトに質問・回答ともに自作自演投稿して悪い口コミを目立たなくする。
  • 「○○(地域名)の家庭教師ランキング」などを自作もしくは外注して、検索上位に表示させ誘導する。

「センター名 口コミ」「センター名 評判」などで検索結果上位に不自然なサイト・ブログばかりが表示される場合は、「悪徳業者」である可能性が高いと考えた方がよいでしょう。

家庭教師バイト探しの「虎の巻」

大学生のアルバイト・社会人の副業として人気の「家庭教師」。家庭教師業界は悪質な業者が非常に多い業界ですので、何も考えずに登録してしまうと「ブラックバイト」となりかねません。以下の記事では、家庭教師アルバイトのおすすめの探し方・注意点・時給相場・評判などについて解説しています。

⇒家庭教師バイト探しの「虎の巻」

家庭教師バイト探しの「虎の巻」。家庭教師バイト探しにお役立ちの情報を掲載。家庭教師アルバイトの基本から、バイトの探し方や注意点、登録先としておすすめの家庭教師会社の見つけ方など。これから家庭教師バイトを探される方は是非参考にして下さい。

家庭教師の個人契約の「虎の巻」

派遣会社(家庭教師センター)を通すのに比べて料金的に安い「個人契約」ですが、思わぬ「落とし穴」も沢山あります。失敗しない個人契約サイトの利用法をお知らせします。

⇒家庭教師の個人契約の「虎の巻」

家庭教師個人契約の虎の巻。家庭教師個人契約のやり方や、個人契約サイトの種類と比較・ランキングなど。家庭教師の個人契約をする際の注意点や、家庭教師個人契約サイトを利用した場合の時給相場や税金などについても解説しています。

プロ家庭教師の「虎の巻」

プロ家庭教師の探し方・派遣会社の比較・個人契約でのオススメ探し方と注意点・時給や料金相場・収入などについて記載しています。プロの先生を探しているご家庭やこれからプロ家庭教師になりたい方は是非ご一読ください。

⇒プロ家庭教師の「虎の巻」

プロ家庭教師の「虎の巻」です。プロ家庭教師の探し方・派遣会社の比較・個人契約でのオススメ探し方と注意点・時給や料金相場・収入などについて記載しています。プロの先生を探しているご家庭やこれからプロ家庭教師になりたい方は是非ご一読ください。