家庭教師の個人契約「虎の巻」

派遣会社(家庭教師センター)を通すのに比べて料金的に安い「個人契約」ですが、思わぬ「落とし穴」も沢山あります。失敗しない個人契約サイトの利用法をお知らせします。

個人契約の方法

個人契約をする方法としては主に以下4つの方法があります。

  1. 個人契約サイトを利用する
  2. 大学や大学生協に紹介してもらう
  3. 知人に紹介してもらう
  4. 地域の掲示板やミニコミ誌などの生徒募集の案内を見て探す

1の「専門サイト(個人契約サイト)利用」が圧倒的に多く、次に「大学による紹介」が多いです。「個人契約サイト利用」に比べて「大学による紹介」は競争がないため、時給相場が500円程度高くなっています。「大学による紹介」の場合は、大学側があらかじめ定めている時給で契約が行われる場合が多いようです。

個人契約の時給相場

個人契約サイトを利用した場合の時給相場について。

先生側の学歴・指導歴や、生徒側が求めるスキル・指導内容の難易度などによって異なりますが、1500円前後がベースの時給相場となります。(交通費は定期券区間外全額支給が原則)

「1500円」という時給相場はあくまで「ベース」ですので、指導内容や学年などによってプラスとなります。以下に目的別・内容別の相場をあげてみます。

  • 公立小学校の補習:時給1500円
  • 中学受験塾の補習(中堅レベル):時給1800円~2000円
  • 中学受験塾の補習(ハイレベル):時給2000円~2500円
  • プロ家庭教師の中学受験:時給3500円~10000円
  • 公立中学校の補習:時給1500円
  • 高校受験(中堅レベル):時給1500円~2000円
  • 高校受験(ハイレベル):時給2000円~2500円
  • プロ家庭教師の高校受験:時給2500円~10000円
  • 公立中高一貫校(中1~2)の補習:時給1800円~2000円
  • 公立中高一貫校(中3)の補習:時給2000円
  • 高校の補習:時給2000円
  • 大学受験(中堅レベル):時給2000円~2500円
  • 大学受験(ハイレベル・医学部受験):時給2000円~3000円
  • プロ家庭教師の大学受験:時給3000円~10000円

10~20年前の個人契約の時給相場はおおよそ2000円~2500円でしたが、個人契約サイト利用の普及により(競争が発生したため)ここ10年くらいで大きく相場が下がっています。働く側の時給だけで考えると「個人契約」と「家庭教師センターに登録して紹介してもらう」場合の差が殆どなくなってきています。(支払う側の費用・時給はセンターのマージン分高くなります)

大手の個人契約サイトを見てみると、いずれのサイトも「教師を公募するコーナー(掲示板など)」と「生徒を公募するコーナー(掲示板など)」が併設されています。「教師を公募するコーナー(掲示板など)」の相場はおおむね上記程度となっています。一方、「生徒を公募するコーナー(掲示板など)」は大学生や社会人・プロ家庭教師の方の希望時給ですので上記相場より少し高めに設定している方が多く見られます。もっとも、実際に成約しやすい時給は、上記前後の場合が多いようです。

個人契約のメリット(生徒にとって)

生徒(保護者)にとって、家庭教師センターを通す場合に比べての個人契約のメリットはどのようなものがあるのでしょうか?以下にまとめてみました。

  • 仲介手数料が0円~3万円程度で済むので、費用が安く抑えられる
  • 高額教材販売業者など悪質なセンターの見極めが不要である
  • 先生を自ら選ぶことができる
  • 教師募集コーナーに掲載すると沢山の候補者が集まる(地域や時給など諸条件次第です)
  • 複数の先生候補者の中から、メール・電話・面接などで選ぶことができる(個人契約サイトによっては1名に絞る必要がある場合もあります)

個人契約のデメリット(生徒にとって)

生徒(保護者)にとって、家庭教師センターを通す場合に比べての個人契約のデメリットはどのようなものがあるのでしょうか?以下にまとめてみました。

  • 個人契約サイトの利用は「自己責任」である
  • 先生との金銭などのトラブルが発生しても仲介してもらえない
  • 慣れていないと良い先生を選ぶのに苦労する
  • 相性が合わない・先生の授業が分かりにくいなどの理由で断る場合に直接言わなければならない
  • 受験情報や模試情報などは自分で収集しなければならない
  • 授業内容などは先生次第になってしまうor保護者が管理・監督しなければならない

生徒にとっての個人契約の損得まとめ

個人契約サイトの普及や教育業界の人材難の影響で、教師にとっては家庭教師センターを通す場合と個人契約の場合の時給の差は少なくなってきています。一方、生徒にとっては個人契約にすることで、費用の総額が家庭教師センターを通す場合の3分の2~2分の1程度で済みますので、金銭的なメリットは大きいでしょう。

しかし、先生探し・先生選抜・契約・授業開始後の監督・先生交代や終了など、全ての段階において個人契約の場合は保護者の方が自己責任で行わなければなりません。個人契約サイトに登録している講師(特にプロ家庭教師)の中には悪質な先生もいるようで、多数の方がそのトラブルについてブログや掲示板などで書かれているのも目にします。

個人契約で先生を探す場合は

  • 前払いは絶対に行わない
  • 契約書を交わす
  • 大学生には学生証・プロ家庭教師には卒業証明書などの提示を求める
  • 免許証などで現住所を確認する
  • 携帯電話番号と携帯メールアドレスを聞く
  • お子様と同姓の先生にする
  • 先生が来るときは保護者が不在にしない
  • 授業終了後に10分程度の報告・打ち合わせの時間をとってもらう
  • 駅から家が遠い場合は(特に女性講師の場合は)駅まで送迎する

などの注意事項・ポイントを守るようにして下さい。

授業の内容については、(たとえプロ家庭教師であっても)先生任せにせずに、保護者の方が積極的に関与するべきだと思います。普段からお子様の教育にあまり関心がなく、先生任せにされたい場合は、適切な家庭京センターを探してお任せした方が良いかもしれません。

個人契約のメリット(教師にとって)

  • 家庭教師センター経由に比べて時給相場がやや高い
  • 難関大医学部など希少性が高く(お医者さんのご家庭など)ニーズがある場合はセンター利用に比べてかなり高時給になる場合がある
  • 個人契約サイトに自らの希望を記載して生徒を募集することができる
  • 自己アピールが上手な人は生徒が見つかりやすい
  • 教師募集コーナー(掲示板など)で自ら生徒を探し、応募することができる

個人契約のデメリット(教師にとって)

  • 複数の個人契約サイトに登録しても生徒が見つかりにくい
  • 教師募集コーナー(掲示板など)で応募しても高倍率で成約に繋がりにくい
  • 面接→体験授業などを行っても成約に繋がらないことがある
  • 生徒や保護者とのトラブルがあっても自分で対応しなければならない
  • 授業のすすめ方などが自己流になりがちである
  • 授業内容や生徒の普段の学習について相談する相手がいない
  • モンスターペアレントにあたってしまった場合、対応を自分でしなければならない
  • 入試制度・受験情報などを自分で収集しなければならない(例:私立高校の推薦入試の実情など)

教師にとっての個人契約の損得まとめ

個人契約の最大の難点は生徒が見つかりにくいということです。多数の個人契約サイトに登録しても全く反応がないということはよくあります。

又、個人契約サイトの普及や教育業界の人材難の影響で、家庭教師センターを通す場合と個人契約の場合の時給の差は少なくなってきており、金銭面でのメリットはあまりなくなっています。大手個人契約サイトを見てみると「教師募集コーナー(掲示板)」と「生徒募集コーナー(掲示板)」とがありますが、それらの時給(教師側の希望時給と生徒側の希望時給)が大きく乖離しているのが現状です。

「生徒募集コーナー(掲示板)」で高時給を提示して上手く生徒さんを獲得できる場合もありますので、「一括登録サイトなどで複数の家庭教師センターに登録して早くお仕事をみつけて、その指導経験をいかして高時給の個人契約での生徒を見つける」というのが必勝パターンだと思います。

個人契約サイトとは

「個人契約サイト」とは、名前の通り、家庭教師の個人契約のために運営されているサイトです。「直接契約サイト」と呼ばれることもあります。

個人契約サイトの歴史

個人契約サイトの始まりは1990年代後半です。「家庭教師の総合情報」・「ジャスティス(のちにアベル→サイト閉鎖)」・「家庭教師の1stTeachers」・「家庭教師紹介サークル」などが初期の頃に立ち上がったサイトです。「家庭教師の総合情報」は無料、その他は1万円程度の紹介料金を取っていました。2000年前半になると、「ジャスティス(のちにアベル→サイト閉鎖)」・「家庭教師の1stTeachers」などが値上げして個人契約サイトの仲介料金の相場が2万円前後となりました。それらのサイトは、3人程度の面接ができて契約まで到達すると「2万円を仲介サイトに払う」というようなシステムです。

2010年前後に「トラスト」「アスクワン」などの格安個人契約サイトが登場しました。相場は5千円~8千円です。これらのサイトは1人の連絡先を教える際に料金を支払うというシステムです。契約にいたらなくても返金はありませんし、「面接にさえこなかったのに料金が発生した」というようなトラブルもあるようです。

個人契約サイトの料金と種類・違い

個人契約サイトは以下3つに分けることが出来ます。それぞれのサービス内容の違いと「良い点」「悪い点」「料金相場」は以下のとおりです。

仲介料無料の掲示板形式のサイト

広告収入で運営されている。掲示板形式となっており、生徒・教師が自己責任で連絡をとりあう。

料金・仲介手数料の相場:無料

良い点:複数の先生候補者を面接して選ぶことができる。

良い点:無料である。

悪い点:全て自己責任となる。

1名の連絡先入手の際に料金がかかるサイト

料金を払うと、先生の連絡先(メールアドレス)1件を教えてもらうことができる。面接などの手配や契約などはここで行い、自己責任。

料金・仲介手数料の相場:5千円~8千円

良い点:料金が安い。

悪い点:原則として自己責任で利用。

悪い点:不採用でも料金が発生する。先生が面接に来ないなどのトラブルもある。

1名と契約する際に料金がかかるサイト

数名の候補者の面接が可能。面接の手配まではサイトが行う。契約が成立した時点で料金が発生。不採用の場合は料金がかからない。

料金・仲介手数料の相場:1万5千円~2万5千円

良い点:採用するまで料金がかからない。

良い点:面接の手配までサイトが行ってくれる。

悪い点:契約以降は自己責任となる。

個人契約サイト選びのポイント・注意点

前述のとおり、個人契約サイトには大きく分けて

  1. 複数の先生にメール・電話などで打診が出来、複数の先生との面談が可能なサイト
  2. 候補者を1名に絞り込んでから、その先生の連絡先を教えてもらえるサイト
  3. 2~3名の候補者との面談が可能なサイト

の3つの種類があります。1番は無料の掲示板タイプで、全て自己責任となります。2番は5千円~8千円程度をサイト側に支払うと1名の連絡先(メールアドレスなど)を教えてもらえます。3番は採用が決まった段階でサイト側に1万5千円~2万5千円を支払います。

どのタイプがご家庭に合うかを考えて個人契約サイトを利用しましょう。

個人契約の流れ(メール・電話・面接・体験授業→契約)

個人契約する場合の流れは下記のようになります。尚、個人契約サイトによって「どのタイミングで課金されるかor無料か」が異なりますので、各サイトの流れについては、利用するサイトをよくお読みください。

  1. 個人契約サイトを比較して利用するサイトを選ぶ(→個人契約サイトの比較
  2. 教師募集コーナー(掲示板)で先生を公募するか、生徒募集コーナー(掲示板)で先生を探す
  3. 候補となる大学生・社会人・プロ講師の方とメールでやりとりする
  4. 候補となる大学生・社会人・プロ講師の方と電話でやりとりする
  5. 候補者の面接を行い、体験授業を行ってもらう
  6. 先生を決定する
  7. 授業曜日・時間帯・報酬の支払い日・交通費などを確認しましょう
  8. 契約書を作成して契約を交わしましょう
  9. 授業開始です
  10. 毎回払いもしくは月末最終授業日払いで授業料・交通費を支払いましょう

※面接の際には学生証・卒業証明書などで学歴を確認しましょう。

※体験授業をお願いする場合は、体験授業分の授業料と交通費を当日に支払いましょう。

※交通費は定期券区間外実費が一般的です。

個人契約の注意点とポイント

個人契約をする場合の注意点とポイントは以下となります。

  • 前払いは絶対に行わない
  • 契約書を交わす
  • 大学生には学生証・プロ家庭教師には卒業証明書などの提示を求める
  • 免許証などで現住所を確認する
  • 携帯電話番号と携帯メールアドレスを聞く
  • お子様と同姓の先生にする
  • 先生が来るときは保護者が不在にしない
  • 授業終了後に10分程度の報告・打ち合わせの時間をとってもらう
  • 駅から家が遠い場合は(特に女性講師の場合は)駅まで送迎する

保護者の方が先生と良いコミュニケーションをとれば、先生がお子様にとって「お兄さん的存在」「お姉さん的存在」になって、成績アップだけではないメリットをご家庭にもたらしてくれるでしょう。その為には、先生のことを一人の人間として尊重し、コミュニケーションを欠かさないようにして下さい。

個人契約と税金・年末調整・確定申告

所得税の金額は、(収入-経費-所得控除)×税率で決定します。飲食店などのアルバイトの場合、基礎控除38万円と給与所得控除65万円を合計した年間103万円を超えなければ、所得税はかかりません。俗に「103万円の壁」として知られています。

個人契約の家庭教師にかかる税金の計算はどうなるのでしょうか?個人契約の家庭教師は「雇用契約」ではないので得られる金銭は「給与」ではありません。その為、65万円の「給与所得控除」は適用対象外となります。このルールだけを適用する場合、収入が年間38万円を超えた際は、納税する必要があります。

尚、税法では「特定の者に対して継続的に人的役務の提供を行うことを業務とする者」を「家内労働者等」と位置付け、「家内労働者等の事業所得計算の特例」として65万円の控除を認めています。「家内労働者等」に該当する場合は、38万円の基礎控除に加えて68万円が控除されますので、給与所得者と同じく年間103万円までは税金がかかりません。

法律の条文などに細かく規定されている訳ではありませんし、過去の判例にもありませんので、「個人契約の家庭教師」や「派遣会社経由の家庭教師」が「家内労働者等」に該当するか否かは微妙であり、管轄の税務署次第といえるでしょう。年間の家庭教師の所得が38万円を超えて103万円を超えない場合は、管轄の税務署に相談されることをおすすめします。

収入が上記に記載した金額を超えている場合は、納税する必要があります。個人契約の家庭教師で得られる金銭は「給与」ではありませんので、「源泉徴収」もされませんし、「年末調整」もありません。確定申告で自ら納める必要があります。

↓個人契約家庭教師と税金・確定申告に関する詳細はこちらで詳細を説明しています

個人契約の家庭教師にかかる税金は?(確定申告・源泉徴収・年末調整)

個人契約サイトの人気ランキングと比較

生徒をみつける為に掲載する個人契約サイトを探している方や、先生を探すために個人契約サイトを探している方の為に、客観的データに基づいた個人契約サイトのランキングと比較を作成しました。ランキングは世界のWEBサイトの閲覧数ランキングを公表しているAlexa(アマゾン傘下)のデータを使用しています。世界ランキングが3,000,000位(300万位)を下回るサイトは殆どアクセスがありませんので、登録する・利用する際はその点を留意して利用しましょう。

1位:家庭教師の総合情報
世界ランク:939,283位

2位:DIY
世界ランク:1,140,541位

3位:ASK
世界ランク:1,676,920位

4位:To-Last(トラスト)
世界ランク:1,744,278位

5位:家庭教師の1stTeachers
世界ランク:4,031,194位

↑ここまでが世界ランク500万位以内の個人契約サイトとなります。

↓世界ランク500万位以下については以下をご覧ください。

家庭教師個人契約サイトの比較・人気ランキング

※2016年1月のデータです

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